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痛風と糖尿病の密接な関係とは?

痛風は、血液中の尿酸の量が増えて発症する病気。一方で糖尿病は、血液中の糖の量が増えて発症する病気。ともに原因がまったく異なる病気です。

しかしながら両者には、実は密接な関係があることが分かっています。痛風を持つ人は、糖尿病になりやすくなります。糖尿病予備軍の人は、痛風を併発することもあります。痛風の改善を図れば血糖値も改善に向かい、逆に血糖値の改善を図れば尿酸値も改善に向かいます。

原因が異なる病気であるにも関わらず、なぜこんなにも両者は仲良しなのでしょう?

痛風も糖尿病も同じような生活習慣が原因で発症する!

全国の痛風患者数は、推定で約30~50万人。痛風の原因となる高尿酸血症を患っている人は、約500万人いると言われています。一方、全国の糖尿病患者は、推定で1000万人。糖尿病の原因となる高血糖を患っている人も、約1000万人いると言われています。

痛風患者、痛風予備軍、糖尿病患者、糖尿病予備軍。これらの人数をすべて足し算すると、2530万~2550万人。予備軍を含めたとはいえ、本当にそれだけの患者が日本にいるのでしょうか?

実は、そんなに大勢はいません。なぜなら、各症状を併発している人が多いから。かなり多くの人が重複してカウントされている、ということです。

以下、痛風と糖尿病との密接な関係について詳しく解説します。

発症に至るプロセスが似ている痛風と糖尿病

痛風は、血中の尿酸値が上昇して発症する病気。一方で糖尿病は、血糖値が上昇して発症する病気です。両者の原因は明らかに異なるのですが、尿酸値が上昇するプロセスと血糖値が上昇するプロセスは、非常に似ています。

尿酸値が上昇するプロセス

尿酸値が上昇する前提として、遺伝的な要素が関係していることは否めません。ただし、単に遺伝で尿酸値が上がる訳ではないことも事実。尿酸値が上がりやすい体質に加え、暴飲暴食、運動不足などの生活上の不摂生が長期化し、尿酸値が徐々に上昇します。

血糖値が上昇するプロセス

血糖値の上昇もまた、そのベースには遺伝が関与しているとされています。しかし血糖値も尿酸値と同様に、遺伝だけで上昇する訳ではありません。遺伝的体質に加え、暴飲暴食や運動不足など、尿酸値上昇と同様の理由によって血糖値は上がります。

痛風も糖尿病も「ぜいたく病」と言われるゆえん

尿酸値も血糖値も、数値の上昇のベースには遺伝があります。ここに生活習慣の不摂生が加わることで、双方の数値は上昇していく、ということです。生活習慣が著しく乱れている人については、もはや遺伝的な要素がなくしても尿酸値・血糖値が上昇し、痛風・糖尿病にいたることがあります。

痛風も糖尿病も、古くから「ぜいたく病」という名で揶揄されてきました。確かに、痛風も糖尿病も、遺伝に加えて「よく食べる」「よく飲む」「動かない」という人に発症する傾向があります。

痛風と糖尿病はまったく異なる病気ですが、それらを導く背景には多くのものが共通している、ということを理解しましょう。

生活習慣の乱れが痛風や糖尿病を招く理由

生活習慣、特に食生活が乱れると、痛風や糖尿病にいたるリスクが高まります。食生活乱れが尿酸値や血糖値を上げる理由について、簡単に見てみましょう。

食べ過ぎと飲み過ぎが尿酸値を上げる

ほとんどの食材には、プリン体が含まれています。痛風の人は、なるべくプリン体の少ない食材を選んでいるとは思いますが、それでも食べ過ぎるとプリン体が過多となり尿酸値が上がることは、容易に想像ができるでしょう。

加えてアルコールには、尿酸を生成する働きと、尿酸の排出を抑えてしまう働きの2つがあるため、体内の尿酸を増やして痛風を導いてしまうことがあります。

さらに、アルコールには食欲を増進させ、かつ満腹感を麻痺させる働きがあるため、飲めば飲むほど食べてしまう、という負のスパイラルに陥ってしまう可能性があるでしょう。

食べ過ぎと飲み過ぎが血糖値を上げる

いかに糖質の少ない食べ物を選んでいるとは言え、食べ過ぎると糖質過多となり血糖値が上がります

また、アルコールには肝臓内でブドウ糖の生成を促進する働きがあるため、飲み過ぎると血糖値が上がります。

こちらもまた、アルコールの食欲増進作用等により、飲めば飲むほど食べたくなる、という連鎖を生む可能性があります。

糖尿病患者よりも糖尿病予備軍が要注意

痛風と糖尿病は合併する、とよく言われます。しかしながら実際には、痛風と糖尿病を併発している人は、多くはありません。なぜならば、糖尿病患者の血糖管理がうまくいかずに血糖値が上がると、通常、尿酸値は下がるからです。尿酸値と血糖値は反比例の関係にある、と言っても良いでしょう。

一方、痛風を注意すべきは糖尿病予備軍の人。痛風は、糖尿病の一歩手前である「耐糖能異常」の人に多く併発します。

「耐糖能異常」の状態になると、糖尿病に特有の3大合併症に発展するケースは少ないものの、尿酸値の上昇や動脈硬化の進行は加速すると言われています。

痛風、高尿酸血症(痛風予備軍)、高血糖(糖尿病予備軍)は、密接に関連している症状。いずれの症状を持つ人であれ、生活習慣においては、常に尿酸値も血糖値も、両方とも意識して過ごす必要があります。

尿酸と血糖を同時に低下させる方法

尿酸値と血糖値に密接な関係があることが分かりました。両者は親戚関係である以上、生活習慣において同じような点を意識すれば、ともに数値は低下していきます。

以下、尿酸値を下げるための生活習慣についてまとめましたが、多くの部分は血糖値を下げる結果にもつながります。尿酸値が高い人、血糖値が高い人、両方とも高い人は参考にしてください。

摂取カロリーを減らす

尿酸値を下げるにしても血糖値を下げるにしても、ともに第一に考えるべきは、摂取カロリーを減らすことです。自分の1日の消費カロリーを把握し、これを超えないよう食生活を工夫してください。

ただし、極端な食事制限は逆効果。血中のケトン体濃度が上がり、逆に尿酸が排出されなくなるからです。

食事制限を行なう際には、医師や栄養士の指導を仰ぎながら、適切な段取りを踏むようにしましょう。

プリン体の摂り過ぎに注意する

本来、プリン体は、体の健康維持のために欠かせない物質です。しかしながら、体が必要としているプリン体の大半(8割程度)は、体内で自然に生成されています。だからこそ、外部からの過剰摂取には気を付けなければなりません。

魚や動物のレバーには、多くのプリン体が含まれています。尿酸値が高い人は、これらを過剰に摂取することは控えましょう。

たくさんの水分を摂る

水分をたくさん摂ることにより、尿量が増加します。尿が増えるということは、それだけ尿酸の排出効率も良くなるということ。また、水分には血糖値の上昇を抑制する働きもあるため、痛風の人も糖尿病予備軍の人も、積極的に水分を摂りましょう。1日の尿量の目標値は2リットルです。

アルコールの摂取量を減らす

先に説明した通り、アルコールには尿酸の生成を促進する作用、および、尿酸の排出を抑え込んでしまう作用があります。加えて、飲み過ぎで脱水症状に至った場合、排尿量が減少して尿酸の濃度が高くなります。

また、アルコールにはブドウ糖の生成をサポートする働きがあるため、血糖値の高い人も飲み過ぎには注意してください。すでに糖尿病を発症している人は、医師の指導で摂取制限が入っていることでしょう。

野菜をしっかり食べる

野菜を多く摂取することで、尿はアルカリ性に近づきます。結果、痛風や尿路結石の原因となる結晶の形成を予防します。

また、糖尿病の治療において野菜の摂取が強く推奨されていることからも分かる通り、野菜の摂取は、高血糖を改善させる非常に有効な手段とされています。

軽度の運動を継続する

ウォーキングなど、軽度の運動を継続的に行なうことで、尿酸値は徐々に低下していきます。糖の消費も進むことから、軽度の運動は高血糖の人にも有効です。

ただし重度の運動は、逆に尿酸値を上昇させてしまうことになるため注意してください。

病院で治療する

食事や運動などの生活習慣を変えても、なかなか尿酸値・血糖値が下がらない人は、速やかに病院へ相談しましょう。尿酸値や血糖値が高い状態が長期的に続くと、やがて命に関わる病気を合併してしまう恐れがあります。生活習慣の改善に加え、薬の力も借りて数値の改善を目指してください。

発症に至るプロセスが似ているからこそ、同じ対策で尿酸値も血糖値も下げることができる

痛風の原因と糖尿病の原因は異なりますが、それぞれに至るまでのプロセスは、非常に似ています。だからこそ、これらのプロセスを生活習慣から排除することで、尿酸値も血糖値も同時に下げることができます。

尿酸と血糖を同時に低下させる方法は、とりもなおさずメタボリック症候群を改善させる方法と同じ。対策をしっかりと実行し、尿酸も血糖も脂肪も減らしていきましょう!