痛風発作について
痛風とは、ある日突然、足の親指などの関節が激痛とともに腫れ上がる病気。発作的に起こるため「痛風発作」と呼ばれており、発作後は数日間歩くのもままならないほどの痛みが続きます。その後徐々に和らいでいきますが、適切な対処や治療をせず放っておくと、また同じような発作が繰り返され、そのたびに病状は悪化していきます。
痛風発作は、尿酸値が高い状態が続いて血液に溶けきれなかった尿酸が結晶化し、関節や組織に溜まることで引き起こされます。尿酸の結晶はさまざまな部位に溜まりますが、最も溜まりやすいのが関節。なかでも血流が弱く冷えやすい足の親指の付け根に蓄積しやすく、最初の発作の約70%はこの部位で発症するそうです。
ちなみに、尿酸結晶がただ溜まっているだけでは発作は起きません。急激な尿酸値の変動や、心身への大きなストレスを伴う動作・運動等がきっかけとなって、関節に溜まっていた結晶が剥がれ落ちる時に発作が起こるのです。
痛風発作のとっさの対処法
初めての痛風発作が起きた時、あまりの激痛にパニックになる人もいるかもしれません。でも、まずは落ち着いてください。痛風は痛くても、その痛み自体で命に関わるようなことはありません。
そのうえで、以下のような対処法を試してみてください。
- 冷やす…保冷剤や濡れタオルなどを使って冷やします。冷湿布を貼るのもよいでしょう。痛風の場合、温めるのは禁物です。悪化するので、お風呂にも入らないように!
- 痛い部位を心臓より高い位置にする…たとえば定番である足の親指付け根が痛い場合は、仰向けになり、枕や座布団などを足の下にセットして心臓より高くしましょう。少しラクになると思います。。
- 鎮痛剤を飲む…非ステロイド系の鎮痛剤(ロキソニンS、イブA錠など)があれば飲みましょう。アスピリン系(バファリン、ケロリンなど)は悪化する可能性があるので服用注意です。
ちなみに、痛風発作が起きたらなるべく早く受診するのがおすすめ。症状があるうちに受診すれば、確定診断もしやすくなります。
痛風発作を起こさないために注意したいこと
痛風の元になるのは尿酸ですが、尿酸値が上がる要因には、プリン体や果糖の過剰摂取、激しい無酸素運動、ある種の薬剤の影響、ストレスなどが挙げられます。また、尿酸の排出量が減る要因には、内臓脂肪の蓄積やメタボ、飲酒、脱水、絶食等が挙げられます。
このようにさまざまな生活習慣が痛風発作につながるので、毎日の生活の中で意識したいものです。
ちなみに、夏は痛風発作が起こりやすいと言われています。それは、尿酸の増加の連鎖が起こりやすい季節だからです。たとえば、夏に激しい無酸素運動をしてたっぷり汗をかくと脱水状態になり、尿酸値は上がります。さらに、運動後にプリン体の多いビールを飲めば、さらに尿酸値は上昇します。夏は、このような痛風に良くない連鎖が起こりやすい季節というわけです。くれぐれも気を付けましょう。

命の危険はなし。動き回らず落ち着いて。
痛風発作の具体的な症状やとっさの対処法、発作が起きないよう日頃から注意したい生活習慣などを紹介してきました。
人によっても、また状況によっても発症の痛み度合いは変わりますが、発症をした方誰に聞いても「とにかく痛い」ということだけは共通しています。「風が吹くだけで痛い」と言われる恐ろしい痛風発作を起こさないために、またいざ起きてしまった時に困らないために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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