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クエン酸って
どんな成分?

ここでは、尿酸値を下げる効果のある成分として注目されている「クエン酸」について、くわしく紹介しています。クエン酸というと酸っぱいイメージですが、実際はどのような成分なのか?という基礎的な知識から、クエン酸の摂取により期待できる効果、また尿酸値コントロールに役立つ具体的な作用なども、分かりやすく解説していきます。

クエン酸とは?

ミカンやレモン、グレープフルーツといった柑橘系フルーツや梅干しを食べると、酸っぱさを感じますよね。これがクエン酸の成分。つまりクエン酸とは、柑橘類や梅干しなどに含まれる「酸味成分」です。

クエン酸は、身体に欠かせないミネラルを体内に吸収しやすい形に変える作用(キレート作用)があります。ミネラルは生きていくために必要で、美容や健康にも必要不可欠な栄養素です。

そのほか、摂取した食べ物をエネルギーへと変換するのに欠かせない成分であるほか、飲料や洗顔剤、入浴剤などに多く利用されています。また、汚れ落としに効くとして、掃除・洗濯用洗剤などにも用いられています。幅広いシーンで活躍している汎用性の高い成分なのです。

クエン酸に期待できる効果

  • クエン酸は疲労回復にも効果があります。クエン酸は肝臓中のグリコーゲンを増やします。グリコーゲンは分解されてグルコースとなり血液の中に入ることによって血糖値が維持され、疲労回復につながると考えられています。
  • クエン酸には、ミネラルの吸収促進効果があります。カルシウムをはじめとするミネラルは単体だと吸収されにくい成分なのですが、クエン酸と一緒に摂取することで、クエン酸がミネラルを包み込んで結合し、吸収をサポートしてくれるのです。
  • クエン酸の酸味によって唾液や胃液の分泌が促され、食欲が増進すると言われています。

尿酸値に対するクエン酸の働き

まず、ここでの注意すべき点がひとつ。尿酸値に対しての期待は「クエン酸」そのものではありません。クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムという化合物になります。

クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムは体内のクエン酸回路というところで重炭酸塩となり、これが尿をアルカリ性に近づけることで尿酸の排泄を促進させることが期待できます。

通常、尿は弱酸性の状態にあるのですが、尿が酸性に傾いている状態だと尿酸が尿に溶けにくく、よって排尿による尿酸排出がうまくいきません。結果、尿酸値が上がるとともに、溶けない尿酸が関節液で結晶化してしまうことで痛風が発症してしまいます。つまり、尿酸を効率的に体外へ排出するには、尿をアルカリ性に近付ける必要があるのです。

そこで役に立つのが、クエン酸ナトリウムやクエン酸カリウムといった成分。尿をアルカリ性に近付ける働きを持っているため、尿酸が尿に溶けやすくなり排泄を促します。この作用によって尿酸値上昇を防いでくれるわけです。

イメージ

クエン酸の尿酸値における
臨床試験結果

痛風や無症候性高尿酸血症などの高尿酸血症に対し、比較試験を行なったところ、酸性に傾いていた尿が改善されていった。クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム配合製剤を1日あたり6錠経口投与したところ、改善効果の有効率は90%を超える高い数値を出した。

クエン酸が含まれる食材

・酢(香酢、黒酢、もろみ酢等)

・柑橘類(ミカン、レモン等)

・梅干し

クエン酸自体はいろいろな食品に含まれていますが、クエン酸カリウムやクエン酸ナトリウムは含まれていてもごく少量。尿酸値改善に期待できるほどの量を、食品から摂取することは難しいと考えられます。

一般的に摂取しやすいと考えられるのはサプリメント。ただし、美容や疲れにくい体への期待として販売されているサプリメントは、クエン酸そのものが配合されていることも。尿酸値への期待をメインに考えるのであれば、成分名に「クエン酸カリウム」「クエン酸ナトリウム」の表記があるかどうかをしっかりチェックしましょう。