キトサンとは?
キトサンとは、エビやカニなどが持つ甲羅部分から取り出される成分です。エビやカニの甲羅には「キチン」という成分が含まれており、そのキチンを化学処理して出来るのがキトサンです。キチンをすべてキトサンに処理できないことから、「キチン・キトサン」という名称で呼ばれることもあります。
ちなみに、キトサンは天然の食物繊維に分類されている成分で、古くから食べられていた人間になじみ深い成分と言えるでしょう。
キトサンに期待できる効果
以下に、キトサンの摂取によって期待できる効果を一覧で挙げてみました。主に、5つの効果が挙げられます!
- キトサンは食物繊維の一種であるため、口から摂取して腸内へ運ばれたあと、腸内で腸の壁を刺激して「ぜんどう運動(便を排出するために必要な腸の運動)」を活発にしてくれます。そのため、便秘の解消をはじめ、お腹の調子を整えるのに役立つ成分といえます。
- キトサンは、水分が含まれることで大きく膨張し、老廃物を吸着する性質を持っています。そのため、体内の老廃物を便として体の外へ排出してくれる効果が期待できます。
- キトサンには、乳酸菌のような「善玉菌」の活動をサポートしてくれる働きもあります。免疫作用やビタミン生成といった善玉菌の大事な活動を手伝ってくれるため、体の状態を内側から整えてくれる効果が期待できます。
- キトサンは、コレステロールの値を低下させる作用も持っていると言われています。コレステロールは胆汁酸とくっ付いて体内へ取り込まれており、この胆汁酸は体の中を循環しています。キトサンは、この体内を循環する胆汁酸を吸着して、体の外へと排出する働きをしてくれるのです。そのため、キトサンを摂取することによって、胆汁酸を少なくして脂肪吸収を抑制することができ、結果としてコレステロール値の低下につながるというわけです。
尿酸値に対するキトサンの働き
キトサンは、尿酸を増やしてしまう成分である「プリン体」を吸着して、体の外へと排出させる働きを持っています。そのため、キトサンを摂取することで、尿酸値の上昇を抑えることが期待できるのです。
実際、血清尿酸値が7.0mg/dl以上の、痛風リスクのある男性9名に、4週間にわたって、1日あたり約2gのキトサンを摂取してもらうという試験を行なったところ、血清尿酸値が低下することが判明したそうです。
【被験者の平均尿酸値推移】
・摂取前:7.96ml/dl
・摂取2週:7.81 ml/dl
・摂取4週:7.48 ml/dl
【うち、摂取前尿酸値が7.5 ml/dlを超える6名の平均尿酸値推移】
・摂取前:8.35ml/dl
・摂取2週:7.78 ml/dl
・摂取4週:7.57 ml/dl
【うち、摂取前尿酸値が9.0 ml/dlを超える2名の平均尿酸値推移】
・摂取前:9.10ml/dl
・摂取2週:8.00 ml/dl
・摂取4週:7.95 ml/dl
以上により、4週間にわたって1日当たりキトサン2.1gを摂取し続けると、高尿酸血症のリスクがある人には尿酸値を下げる効果があり、なおかつ血清尿酸値が高い人は優位に低下することが証明されているのです。
(参考文献:「高尿酸血症又は痛風の予防又は改善薬」/小林製薬株式会社/特開2001-316272)

キトサンの尿酸値における
臨床試験結果

(4頁目【0026】~【0036】)
痛風リスクがある、血清尿酸値7.0mg/dl以上の男性9名に対し、1日あたり約2gのキトサンを4週間にわたって摂取してもらったところ、平均で0.48mg/dlの低下を確認。
さらに、摂取前尿酸値が7.5 ml/dlを超える9名中6名においては0.78 mg/dl、摂取前尿酸値が9.0 ml/dlを超える9名中2名においては1.15 mg/dlの低下が証明された。
キトサンが含まれている食材
キトサンは、主に「甲殻類」「軟体動物」「真菌類の接合菌類」などに微量含まれていると言われています。以下に、キトサンが含まれる具体的な食品を、カテゴリ―別に紹介していきたいと思います!
【甲殻類】(甲殻類とは、硬い殻に覆われた、主に水中に生息する生物のことです。)
- サワガニ
- サクラエビ
- オキアミ
- シャコ
【軟体動物】(軟体動物とは、タコやイカなど、体が軟らかくて、頭・足・内臓を持っているものの明らかな区別がない動物のことです。)
- イカ
- タコ(脳を包んでいる軟骨部分に、わずかに含まれている。)
- 貝類
【真菌類の接合菌類】(「真菌類」というのは、細胞壁を持っており、自分では動けない菌で、単細胞あるいは糸状の生物のことを指します。そして「接合菌類」とは、菌同士が結び付く生殖活動によって増殖を行なっている菌類のことです。)
- キノコ類
- チーズ類(とくに、カマンベールチーズをはじめとした表面が菌類に覆われているもの)
- 昆虫の外皮(日本ではあまり摂取する機会はありませんが…)
さて、いかがでしょうか?
意外にも、日常的な食卓に登場するような、身近な食品にもキトサンが含まれていることが分かりますね。
ただ、こうした食材から(毎日の食事から)摂取できるキトサンの量には、どうしても限りがあります。無理せず賢く、効率的にキトサンを摂取したいのであれば、サプリメントなどの飲用をするのが一番おすすめです!
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