痛風で発症するコブの正体とは?
痛風を発症した後も尿酸値を改善せずに放っておくと、コブのようなものができることがあります。これは、「痛風結節」と呼ばれるものです。
増え続けた尿酸が関節だけでなく皮膚の下にも溜まり、そこで結晶化を起こしてコブのようになってしまった状態です。
発生しやすいのは手足の関節やひじ、ひざ、アキレス腱、耳たぶといった比較的体温の低い部位。形や大きさは一様ではありませんが、米粒や大豆程度のものから、なんとリンゴくらいにまでなることもあるようです。
触っても痛みはありませんが、悪化すると関節の変形を起こしたり、脱臼してしまうケースなどもあるといいます。さらにコブが大きくなり過ぎると、皮膚が裂けて中からオカラのような状態になった尿酸結晶が出てくることもあるそうです。
痛風で壊死は起こる…?
痛風によって壊死が起こることもあるの?という疑問を持っている人もいると思いますが、そもそも壊死とはどんな状態を言うのでしょうか?
壊死とは、体の一部分を構成している細胞が死滅すること。凍傷や火傷といった物理的な衝撃や、血流の減少、また何かの菌に感染することなどによって起こり得ます。壊死した組織は体の免疫機能によって取り除かれ、その後元の組織が再生し、壊死部位は補われます。
では、痛風で壊死は起こるのでしょうか…?
安心してください。痛風や高尿酸血症の状態だけでは、組織が壊死を起こすことはまずありません。
ただ、注意したいのが合併症の存在。一部の合併症を引き起こしたときには、壊死(壊疽)を起こす可能性もあるようです。以下に、くわしく解説していきましょう。
壊死する可能性のある合併症
初めに紹介した痛風による合併症「痛風結節」。痛みはないものの、大きくなると皮膚が裂けて中身が出てくることもあると説明しましたね。
ここで気を付けなければいけないのが「壊疽」です。壊死は先ほど述べたように細胞が死滅することですが、壊疽は組織が腐敗することで、壊死した組織が腐敗菌に感染することにより起きます(壊死の合併症)。壊疽した部位は外科的に除去して他組織への影響を防ぐ必要があります…。
痛風結節がひどくなって皮膚が裂けた場合は、皮膚が破れているわけですから、菌に感染して壊疽を起こさないよう気を付ける必要があるのです。
ちなみに、糖尿病を併発している人も注意が必要。糖尿病が進行すると神経障害を起こす可能性があり、そうなってしまうと手足の痺れが起こって、ケガの痛みに気付かないケースがあるといいます。そして気付かないうちにケガの患部が感染症を起こし、壊疽に悪化する…という恐れもあるのです。

壊死はしないが合併症になるとリスク高まる
痛風そのものによって壊死は起こらないものの、合併症のひとつである痛風結節や糖尿病を発症した場合は、ひどくなると、壊死の先の「壊疽」にまでなってしまう可能性があることが分かりました。
そんな恐ろしいことにならないためにも、まずは尿酸値が下がるよう心掛けて、痛風自体を防ぎましょう!
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