カゼインとは?
カゼインは凝固するたんぱく質として知られており、牛乳の成分約80%はカゼインが占めています。チーズやバターのような乳製品は、カゼインの「固まる」性質によって製造されるものです。同じく牛乳のたんぱく質成分として、残り20%を占めるのがホエイ。ホエイは水溶性なのに対し、カゼインは不溶性というのが大きな違いと言えるでしょう。
胃に入ったカゼインは、時間をかけてゆっくり腸から吸収されます。このため、スタミナ補給に活用されることも多いです。
カゼインに期待できる効果
カルシウムの吸収力を保つ、消化機能を維持するなど、カゼインに期待される働きは多岐にわたります。特にホエイと比較すると、その特徴はより明確になるでしょう。カゼインに期待される働きを簡潔にまとめると、以下のとおりとなります。
- カルシウムの吸収力を保ち、精神を安定させる
- 消化器官の機能を維持して、免疫力を保つ
- 胃腸の働きをサポートし、栄養の吸収を維持する
- ホエイたんぱく質とともに尿酸の排泄を促す
- 満腹感を持続させて過剰な食欲をコントロールする
カゼイン最大の特徴とも言えるのが、消化のスピードが緩やかであることでしょう。胃に入ったカゼインは胃酸と混ざって凝固。固形化すると消化に時間がかかり、腹持ちが良くなります。このことから、過剰な食欲を抑える効果が期待されるのです。
同時にカゼインは吸収にも時間がかかります。腸から吸収するスピードをホエイと比較すると、その差は歴然。ホエイが2時間程度で吸収されるところ、カゼインは7~8時間程度もかかると言われています。単純に比較すると、3~4倍程度も異なることがわかるはずです。
こうしてホエイよりもゆっくり吸収されていくカゼインは、血中のアミノ酸濃度を高い値で維持するのに役立ちます。長時間効果をキープできるのも特徴です。
尿酸値に対するカゼインの働き
尿酸値が高い数値を示していると、痛風の原因となるリスクがあります。このとき、カゼインが役立つと考えられているのです。カゼインを摂取することで、尿酸を排出しやすくする作用が期待できることが報告されています。
アメリカで行われた研究では、痛風のない約47,000人の健康な男性を対象に、12年にわたる調査を実施。乳製品摂取量が多い人ほど、痛風の発症率が低いという結果が明らかになりました。その発症リスクは、乳製品の摂取量が最小のグループが1であるのに対し、最大のところは0.56と、約半分ほど低下することが判明しています。そのメカニズムとしては、乳製品に含まれるカゼインとホエイたんぱく質の尿酸排泄促進作用によるものだと考えられています。[注1]
カゼインが含まれる食材
乳製品にはカゼインがたっぷり含まれています。尿酸値が高い方はもちろん、そうでない方も日々の栄養補給に積極的に摂取しましょう。日常的に摂取できるものとして、参考までに以下へまとめました。
- 牛乳
- チーズ
- ヨーグルト
上述のとおり、カゼインが含まれる食材としては牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品が代表的存在です。積極的に食生活に取り入れることで、尿酸値を下げる効果を期待できるでしょう。このほか、生クリームでも構いません。そのまま食べることは少ないものの、料理に使うことで効果的にカゼインを摂取するために役立つはずです。
もし料理に乳製品が入っていなかったとしても、そのまま食べられる食品ばかりだという点は魅力的。また乳製品はスーパーだけでなく、コンビニなどでも手軽に購入が可能です。飽きっぽい方でも、「おやつにチーズを食べるだけ」など手軽に尿酸値ケアができます。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまうという場合、乳糖オフ牛乳を試してみると良いでしょう。お腹の不快感を覚えることなく乳製品を摂取できるかもしれません。
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