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漢方で痛風は改善できる?

痛風に効果的な薬については他のページでも紹介しましたが、
漢方の分野ではどのように考えられている病気なのでしょうか?

尿酸値が高い人におすすめできる漢方の考え方や、痛風に役立ちそうな漢方薬について紹介していきたいと思います!

そもそも漢方とは?

漢方とは、はるか昔に中国から伝わってきた医学をもとにして、日本の風土に合わせて独自の発展を遂げてきた医学。体質などの個人差に重きを置いた考え方・処方が大きな特徴です。

西洋医学の薬は、なにかひとつの症状・病気に対して効果を発揮しますが、漢方薬には有効成分が複数含まれているため、さまざまな効果が期待できるといいます。

体の不調を訴える患者さんの中には、検査結果にはとくに問題がみられないのになぜか自覚症状はある…といったケースもありますが、漢方は、このようなケースの治療も得意としています。

ちなみに、「漢方」という名称は、江戸時代にオランダから伝えられた医学が「蘭方」と名付けられたのに対し、日本独自に発展した医学を「漢方」と呼んだことが始まりだそうです。

尿酸値が高い人におすすめできる漢方の考え方は?

では、尿酸値が高い場合に、漢方ではどのような処方が行なわれるのかというと、主に以下の2つがあります。

  • 痛みに対しての処方
  • 体質改善のための処方

痛風に対して漢方では、「急性期の痛みを和らげる処方」と「慢性期の体質改善のための処方」に分けられるのです。

前者では、患部の熱感や腫れといった症状に応じ、「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」などが用いられます。

一方後者では、「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」や「大柴胡湯(だいさいことう)」などがよく用いられるようです。

痛風への処方に使われる漢方薬一覧

最後に、痛風に対して効果が期待できると言われる漢方薬を、いくつか紹介します!

  • 越婢加朮湯(えっぴがじゅつとう)
    …関節の腫れや熱を帯びている場合に効果的。関節炎や局所の腫れ、粘膜の腫れ、むくみ、尿の出が悪い場合などに使われる。
  • 疎経血湯(そけいかっけつとう)
    …神経痛、関節痛、夜間に激しい痛みがある人に効果的。血行を良くして痛みやしびれを改善させる。とくに、腰より下にある関節や神経痛に使われ、痛風やぎっくり腰にも適応。
  • 大防風湯(だいぼうふうとう)
    …関節の痛みや腫れ、こわばりといった症状に使われる。痛風や関節リウマチ、慢性の関節炎などにも効果的。体を温めて痛みを和らげるため冷え性の人にも有効であり、虚弱体質にも使用可能。
  • 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
    …色白で水太りの人に使われる。体力がなく疲れやすい、むくみやすい、関節の痛みがあるといった場合に効果的。水分代謝を促す。
  • 大柴胡湯(だいさいことう)
    …肝臓に作用し、脂質を分解しやすくする。また、余分な脂質の吸収を抑え、排泄を促す作用もあるため肥満改善に役立つ。比較的体力のある人に適応。
  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
    …お腹に皮下脂肪を溜めている肥満タイプや、便秘がちな人に効果を発揮。高血圧やむくみ、肩こり、暑がりでのぼせがある人、尿量の少ない人にも効果的で、尿酸排泄の改善が期待できる。比較的体力のある人に適応。
  • 柴苓湯(さいれいとう)
    …水分の循環を良くするため利尿作用があり、尿酸の排泄がしやすい体の状態に導いてくれる。
まとめ

漢方だけではなくプラスアルファをおすすめしたい

ここまで、漢方の痛風に対する処方の考え方と、効果が期待できる具体的な漢方薬を紹介してきました。

ただ、漢方は民間療法に近いものとして捉えられている側面もあるので、漢方での対応だけで済ますのではなく、尿酸値を下げる他の対策と並行しながら長期的に摂取していくのがおすすめです。