高尿酸血症とは?
痛風は、尿酸値が正常値を超えていわゆる高尿酸血症になることで痛みが発症する病です。
しかし、この尿酸値が高い状態にあるにも関わらず痛みが発症しないケースもあり、これを「無症候性高尿酸血症」と呼びます。
あるデータでは、高尿酸血症は約1,000万人に見られるものの、実際に痛風を発症している人はそのうちの100万人程度と推計されています。つまり、尿酸値が基準を超えている人の9割は、症状はないけれど痛風がいつ発症してもおかしくない「無症候性高尿酸血症」であるということになるわけです。
尿酸値は高いけれどまだ痛風を発症していないから大丈夫…と安心している人もいるかもしれませんが、尿酸値が高い状態をそのまま放置していると、気付かないうちに腎臓病をはじめとした合併症が進んでしまう可能性もあるので要注意です。
痛風は激しい痛みが起こるのが大きな特徴ですが、逆に言うと、それ以外の症状はありません。発症段階でしっかりと適切な処置をすれば通常どおりの生活を送ることもできるのです。しかし、一方で高尿酸血症は、痛みが起こらないため早期発見をしにくい特徴があります。気付いたときには既に合併症を発症している…ということも大いにあり得るでしょう。ある意味、痛風より怖いといえるかもしれません。
高尿酸血症予備軍のセルフチェック
高尿酸血症予備軍の可能性は、簡単な自己チェックでも調べられます。
以下の項目に、いくつ当てはまりますか…?
- 1.魚や肉、内臓料理が好きでよく食べる
- 2.激しい運動の習慣がある
- 3.太り過ぎている
- 4.食べるのが早いと言われる
- 5.ついつい食べ過ぎてしまうことが多い
- 6.水やお茶をあまり飲まない
- 7.アルコール(とくにビール)を毎日飲む習慣がある
- 8.仕事は楽しいけれど頑張り過ぎる傾向にある
- 9.脂質異常症(高脂血症)や高血圧、糖尿病を指摘されている
- 10.親兄弟に痛風の発症者がいる
当てはまる項目が3つ以上ある場合は、高尿酸血症予備軍の可能性が高いです。とくに1、2、3が当てはまる人は注意が必要!
食事や生活習慣を改善する、尿酸値を下げるサプリメントを飲むなどして、早急に対策をしましょう。心配な場合は、病院で受診することも大切です。
高尿酸血症の治療&対策
尿酸値が「7.0mg/dL」の基準値を超えてしまったら、まずは食事や飲酒、運動といった生活習慣を見直します。高尿酸血症は、これら生活習慣の改善やストレス発散などによって、ちゃんと改善するものです。また、尿酸値を下げる成分を効率的に摂取できるサプリメントの飲用も非常に有効です。
しかし、既に痛風や合併症を発症している場合、また「9.0mg/dL」を超えている場合は、薬物による治療が必要になることもあるでしょう。薬物治療では、尿酸降下薬と呼ばれる薬で尿酸値を下げていきます。尿酸降下薬には「尿酸生成抑制薬(尿酸生成を抑える薬)」と「尿酸排泄促進薬(尿酸排泄を促す薬)」があり、医師の判断で服用します。尿酸値が心配な人や実際に症状のある人は、病院を受診して適切な治療を受けましょう。

早めの対策で痛風を回避!
ここまで、痛風発症のリスクが高い「高尿酸血症」の状態についてくわしく紹介してきました。
たとえ症状がなくても、放置してはいけない状態だということが分かりましたね。
痛風の発症を防ぐには早めの対策が重要となるので、高尿酸血症の疑いがある人・診断された人は、できるだけ早く生活習慣の改善や食事の見直し、尿酸値を下げるサプリの飲用などを始めましょう!