痛風の前触れはある…?
痛風発作には、分かりやすい症状として現れる"前触れ"というものがありません。痛風発作の恐ろしいところは、自分でなかなか気付きにくい…という点でもあるのです。自覚症状というのはほとんどなく、実際に恐ろしい痛風発作が発症して初めて気付くケースが多いと言われています。
そのため、もし健康診断や各種検査などで尿酸値が高いことを指摘されたら、それを前触れと認識してください。とくに、一般的な基準値とされている「7.0mg/dL」以上の場合は、いつ痛風発作が襲ってきてもおかしくない状態といえます。
現段階でなにも症状がないとしても、決して安心はできないのです。
痛風の初期症状とは
痛風の初期症状として一番多いのが、関節部に現れる激しい痛みと腫れです。
痛風は、血液中の尿酸値が高くなることで関節部に尿酸の結晶が蓄積し、それが剥がれ落ちた時に発症します。激痛の正体は、剥がれ落ちた結晶を白血球が異物と認識して排除することで起こる炎症反応です。
初期症状が現れる部位で最も多いのが、足の親指の付け根(正確な医学用語でいうと「第一中足趾節関節」)です。患部に炎症が発生しているため、赤く腫れ上がるほか、発熱などもしばしばみられます。
激痛のピークは発症してから約24時間で、通常、一週間ほどで徐々に治まっていきます。ただ、痛みが治まったからといってそのまま放っておくと、痛風発作はまた再発し、くり返すようになるので要注意です。
対策法をチェック!
痛風発作に前触れはなく、ある日突然やってくることが分かりました。
そのため大事となるのは、尿酸値が高いと言われた時点から、しっかりと尿酸値を下げる対策を行なうことです。
上で触れたように、何も症状がなくても「いつ痛風発作が起きるか分からない」という状態を自覚し、尿酸値を下げるためにできることをするしかありません。
具体的には、プリン体や果糖が多く含まれる食品をなるべく控える、尿酸値を下げる成分が含まれた食品を積極的に摂る(尿酸値を下げるサプリの活用もおすすめ)、アルコール摂取を控える、食事改善や有酸素運動などで肥満を解消する、ストレスを溜めない…など。どれも、日頃の生活の中で意識すれば誰でも取り組めることです。
遺伝による痛風も2割程度はあると言われていますが、ほとんどが生活習慣によるものなので、自分でできることから取り組んでいきましょう。
痛風になりやすい人
痛風は、前提として成人男性がなりやすいもの。女性ホルモンが関係しており、女性で痛風になる人は少ないと考えられてきました。女性でも更年期以降は注意が必要ですが、やはり圧倒的に男性が多い病気です。また、発症には体型や食生活なども影響します。
肥満気味
痛風は、尿酸という老廃物が多くなることで発症リスクが高くなる病気です。尿酸は尿とともに排出されるものですが、汗をかきすぎると尿の量が減り、排出も減る可能性があります。肥満気味の人は、汗っかきの人も多く、尿量が減りやすい傾向に。また、高血圧や高脂血症、糖尿病など肥満に多く見られる生活習慣病も痛風と関係が深く、併発のリスクが高めです。このことから、肥満気味の人は高尿酸や痛風のリスクも高いと言えそうです。
食生活が乱れている
尿酸を生成する成分は食事に含まれることもあり、飲食が痛風リスクを高めてしまうこともあります。食べ過ぎや飲みすぎなどの食生活の乱れは、尿酸値を高くするリスクの一つです。よく言われるプリン体の多い食品だけでなく、高カロリーの食事やアルコールの大量の摂取もリスクとなります。また、野菜は尿をアルカリ性にし、尿酸排出を促すので積極的に摂るといいでしょう。
家族に痛風の人がいる
家族に痛風の人がいる場合にも、痛風のリスクが高くなることがあります。痛風自体が遺伝することはありませんが、遺伝子による代謝異常が高尿酸の原因になることもわかってきています。また、こうした異常がないケースでも、家族は食生活などが似ていることで、痛風のリスクも同じように高くなっていることもあるため、注意が必要です。
痛風になる原因
尿酸は血液中に溶け込んでいますが、一定以上に増えると結晶になって関節部分に蓄積します。その結晶が炎症を引き起こし、激しい痛みをもたらすのが痛風発作です。尿酸が溜まり痛風を引き起こす原因や仕組みを紹介します。
高尿酸が痛風を引き起こす
尿酸は体内で作られたり、食物から摂取した成分で合成されたりするものです。作られた尿酸は、尿とともに排出されますが、作られる量が多すぎると、体内に蓄積されて高尿酸の状態となります。尿酸は一定以上の量を超えて飽和状態を迎えると、結晶化して痛風発作を引き起こすのです。
尿酸が溜まる原因は体質と生活習慣
尿酸が溜まる原因として、体質と生活習慣が関係しています。一般的に言われているのは、生活習慣による影響が2~3割、体質的な影響が残り7~8割だということ。一度でも発作を起こしたことのある人は食事だけでの抑制は難しいと考えられています。ただし、発作を起こす前の状態で尿酸値が高すぎない人では、食事制限でも発作抑制の効果が期待できるようです。
尿酸値が高いと分かったらすぐさま対策を!
痛風の前触れや初期症状についてくわしく紹介してきましたが、やはり一番は、痛風発作を起こさないよう対策を行なうことが重要です。
尿酸値が高いと分かったらそれを前触れと認識し、しっかり対策をとりましょう。日常生活の中でそういう意識を持つだけでも少しは変わってくると思うので、ぜひこのページで紹介したような具体的な対策法を頭に入れてみてくださいね。
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